雪がミニ盆栽を守る<オホーツクの屋外越冬の方法>

オホーツクも冬が近づいてきました。雪が積もらないうちにミニ盆栽たちを棚板で囲って冬と来年の春に備えます。雪が積もればひと安心。雪がミニ盆栽を冷たい風と乾燥から守ってくれるのです。黒松の軸切り挿し芽の苗も越冬隊に参加しました。
雪に守られるのでムロがなくても大丈夫
オホーツクは11月に入ると棚板と鉢が氷でくっついて取れなくなります。持ち上げた程度では外れません。もっと力を入れると棚板が持ち上がるほどしっかりとくっついてしまします。なので、棚板から外して冬囲いをするのは10月末ごろになります。
外した鉢は、平らにならした地面にきれいに並べます。鉢の数が少なければ、鉢を少し土に埋めてもよいです。
並べ終わったら、棚板で周囲を囲んでブロックか何かで押さえておきます。怪長はブロックを重ねて棚板を置いているのでそれをそのまま活用しています。そして、できあがったのが写真のような冬囲い‥‥。
‥‥‥‥
で、雪が降るのを待つわけです。
水やりはどうする?
雪が降るまでは、週に2、3回水をあげます。鉢は朝になると凍結していて土が盛り上がってきます。鉢の中は凍って膨張した水で隙間ができて通気性が良くなります。
日中に解けて夜から朝にかけてしばれる‥‥これを繰り返します。
雪が降り積もると、鉢の水は蒸発しなくなります。そのままカチカチになります。そうなると、水をあげる必要はなくなります。
第一、水をあげても鉢の中には浸みていきません。氷に水をかけるようなものですから。
それに、外に置いてあるホースの中の水が凍ってホースに詰まるので、蛇口をひねっても水が出てきません。山水不能になります。でも、盆栽はそれでOKなのです。
あとは、雪が積もると、ミニ盆栽たちは雪に包まれ、半年間の眠りに就きます。枝の下も上も雪。そのまま雪が重なるとしっかり締まって枝が折れることもほとんどありません。
あ、もちろん、寒さに強い木ばかりですが。
柑橘類。ピラカンサスとか、寒さに弱い木は屋外越冬は無理ですが、この囲いの中にはアメリカツタ、ベニシタン、長寿梅、紫式部もいます。
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黒松は屋外越冬できるのか
今年の1月に家の中で発芽して、軸切り挿し芽をした黒松実生軍団の中から30本を、オホーツク越冬隊に選びました。黒松は、北海道では通常、冬はムロで管理します。オホーツクはもちろんムロですが、酷寒の地のムロは地下ムロといって地下2メートルほど掘り下げます。
地下が1メートルまで凍結するのでそれ以上深く掘らないとムロにはならないからです。ビニールハウスの上屋をかけますが、
雪で押しつぶされないようにするため頑丈です。つまり、費用が掛かってしまいます。
そこで、雪の下で黒松が越冬できないか‥‥‥試してみるわけです。
どうなるでしょう。
越冬隊は、軸切り挿し芽30本のほかに、4月に種を蒔いて5月に発芽した幼木67本もいます。今の様子を見る限り、ちっこいのはこの寒さでも、つらっとしていました。軸切り挿し芽は葉が紫に変わり寒そうです。
周りの板は春の風邪から守るため
ところで、雪でミニ盆栽が守られるならば、周りの板は何の役目‥‥? ということになりますよね。これは、春の風よけなのです。
4月に入ると雪解けが一気に進みます。4月の中旬になるとミニ盆栽が雪の下から顔を出します。ところが、野山の草はまだ枯れたまま。風はカラッカラに乾いているので、風の直撃からミニ盆栽を守るのです。
この程度でも意外い効果はあります。直撃を受けると、カラマツ、モミジなどはあっという間に枯れます。目が膨らんだ状態のまま、ドライ盆栽になります。
そのことを知らずに、一度に50鉢をにからしたこともあるので囲いは必需品なのです。
目が動いて葉が開いてきても、根がまだ眠ったままなので5月の上旬まで囲いの中で管理します。植え替えが必要な鉢は、植え替えた後、囲いの中に戻してやります。
家の中ではアオキが育っています
関東以西で育つというアオキが芽を出しました。
「秋に芽を出す」というアオキ。
半信半疑で春に種を蒔いたら、
本当に秋まで芽が出ませんでした。
これは、暖かいところの木なので、
冬囲いの中には入れられませんね。
部屋の中から冬囲いを眺めています。
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